こちらでは一般的な二輪車での並行輸入登録書類の書き方を、記入例と合わせて解説します
ご自身で申請書類を作成する際のご参考になれば幸いです

何故記入例の解説を?

当サイトを御覧頂いている方であればご存知かと思いますが
弊所では二輪車の並行輸入登録代行や書類作成を承っております
その様な中、何故手の内を明かす様な書類の書き方を紹介するのか?
理由は幾つかありますが、最も大きな理由はオークション等のサイトで
何とも怪しい「並行輸入登録マニュアル」の様な物が販売されているのを
見かけるようになった事が主な要因です

はっきり申し上げてあの様な物に1万円以上の金額を出す意味はありません
あちらに記載されている内容は、お近くの自動車技術総合機構の職員に訪ねれば
(非常に面倒そうに)教えて貰う事が出来ます
彼等は半公務員ですので面倒な手続きでも無下に帰したりはしません(態度は悪いですが)
通常の車検や登録は勿論、こちらの並行輸入登録から難解なエンジンの載せ替えまで
尋ねれば(嫌々ではありますが)親切に教えてくれます

こちらではあの様なマニュアルに記載されている事+αを無料で解説します
是非是非、参考になれば幸いです

では行政書士に作成を依頼するメリットとは?

解説の前に少しだけ宣伝をさせてください
こちらで書類の書き方を紹介しているにも関わらず、弊所では書類の作成代行を有料で
代行しています
普通に考えれば手の内を晒す記入例の公開は謎の行動ですが、幾つか意味があります
ここではご依頼頂く場合もメリットも紹介させてください

書類提出後の補正が少ない
並行輸入登録申請は郵送で提出する事が出来ず、必ず運輸支局内の
自動車技術総合機構まで出向く必要があります
こちらの総合機構、営業時間は概ね平日の9時から17時の間
になっています
また上でも少し紹介しました書類作成方法の問合せなどは
検査レーン営業時間外の12時から13時や16時以降を指定される場合が多いです

この様な限られた時間内に申請書類を提出したとしても、
書類の記載方法に誤りがあると後日に補正を行う様に要請されます
この補正も勿論、上記の営業時間内に総合機構まで出向く必要があります
この補正内容もかな~り細かくチェックされます

この様な面倒な補正発生を、弊所にご依頼頂く事で可能な限り減らす事が可能です

添付資料の手配代行が可能!
並行輸入登録では登録書類に申請書を合わせて提出すればOK!
というものでは無く、諸元表の様な添付資料の提出が求められます
しかしこちらの書類の審査が令和3年度の改正から非常に厳しくなっております
多くのGSX400E(GK53)、ゼファー750(KZ750EE)、CB750F(RC04E)オーナーが
涙を飲んだ事でしょう
弊所ではこちらの添付書類手配に自身があります
困った車両も海外からマニュアル取り寄せにて対応します
何故かご依頼頂く事が多いGK53Cだけでも4台は登録に成功しています
資料に関してお困りの方も是非お気軽にご相談ください

また現地タイトルなど、年式証明資料の無い車両に関しても
弊所では製造証明書の発行依頼代行も承っております

そもそも書類作成って結構面倒
意外とこちらも重要です
並行輸入は書き方が分かったところで、記入は結構面倒な書類です
面倒な作成は丸投げして浮いた時間でキャブの油面調整か同調取りでもどうでしょう?
(大体作成にかかる時間と同じくらいです)

記入方法紹介

前段が長くなりましたがいよいよ書類作成をご紹介します

サンプル車両

登録のサンプルとしまして今回はCB400Four(408cc)を例にしてみます
サンプル車両の詳細は以下の通りです
ホンダ CB400FOUR(型式CB400F)

フレーム番号:CB400F-1234567
エンジン番号:CB400FE-1234567
マフラー:ノーマル
ホイール:ノーマル
年式証明:製造証明書

届出者(申請者)
氏名:並行 輸入
住所:大阪府箕面市箕面1-1-1
番号:072-000-0000

車両の詳細は上記の通りです
登録書類のサンプルも用意してみました

通関証明書

製造証明書

上記の書類2点は申請書類作成の際に使用しますので
記入例と見比べて参考に頂ければ幸いです
必要書類に関しましてはこちらで解説していますので合わせて御覧ください

申請書類

様式1

→ダウンロードはこちら

①登録を行う場合は新規検査
予備検査のみ受験予定の場合は予備検査に◯ 
②提出先の検査部名
届出者(申請者)の氏名、電話番号
をそれぞれ記載します
提出時には日付を記入します
③通関証明書記載の輸入者を記載します
代理人とは異なりますので注意
④審査終了後の連絡有無に◯
基本は「要」でOKです
⑤車名と型式を記入します
型式名は「ー型式ー」で記載します
⑥車体番号を記入します
⑦250cc以上のバイクの場合
「小型、常用、オートバイ」
⑧国内にて型式登録のある車両は、
指定自動車と関連に◯
型式及び通称名を記入します
無い場合は「不明」に◯
⑨国内の指定自動車との違いを記載します
例:ヘッドライト配光  など
⑧で不明を選択した場合は記入不要です

①原動機型式を記入
②排気量を記入、リットル又はkWに◯
③車体番号、エンジン番号を記入します
型式部分、一連番号部分にそれぞれ下線を入れ
記載しておきます
④各種番号の打刻部分を記入します
⑤石刷り(拓本)を貼り付けます
スペースが足りない場合は、別紙と記入し
別で提出します
⑥輸入時から車検までに行った改善事項を記入します
例:ヘッドライトレンズ交換
  灯火類バルブ交換、等
⑦排ガス防止装置の詳細を記載します
装着されていない場合は項目に斜線です
⑧マフラーに関する詳細を記入します
個数はサイレンサー数です
制作者名は不明でも問題ありません
性能確認と表示は該当するものに✓です
⑨自動運転装置に関する項目です
通常は「無」に◯です

車名・型式
製造証明書や現地タイトルに記載がある場合は、それぞれ該当する物を記入します
わからない場合や、証明出来る資料が無い場合は「不明」と記入します
車体番号
VINコードの場合はそれぞれの文字が意味する事項を記入します

様式2

ダウンロードはこちら
諸元に関する内容を記入します

諸元表を用意頂き、そちらの内容に従い記入します
諸元表は製造者発行の物が使用可能です
Wikipediaなどの第三者作成の諸元は使用できませんので
ご注意ください

①諸元表や実車に従い車両の寸法を記入します
実際の数値は検査時に測定されます
②諸元表に従い車両重量、定員数を記入します
③総重量を記入します
定員1名につき55kgとし、車両重量に加算します
2名の場合は110kgです
④諸元表等に従い最大速度を記入します
⑤駆動輪を選択します
二輪の場合は大概、後輪駆動です
⑥タイヤサイズを記入します
ロードインデックスまでの記入が必要です
⑦タイヤサイズに従い、タイヤの負荷能力を
記入します
インデックス一覧表はこちら
⑧原動機に関する詳細を記入します
それぞれ添付する諸元表の記載に従います

①燃料噴射は直接噴射(FI等)又はキャブレターです
過回転防止(レブリミット)
変速機を記入します
減速比は諸元表の表記に従います
②タンク容量、材質を記入します
③点火方式に関する項目です
無接点式(セミトラ、フルトラ等)
接点式(ポイント等)に◯
④ホイール材質に◯
キャストホイールの場合は、ディスクホイールの表示を選択します
スポークホイールの場合は、表示は選択不要です
尚、キャストホイールの場合にも関わらず何れの表示も無い場合は保安基準に適合せず交換が必要です
⑤ハンドル位置に◯
⑥該当する盗難防止装置に◯
⑦ブレーキに関する項目です
ABSなどが装着されている場合は、該当する項目に◯

①衝動装置に関する項目です
諸元表に内容に従い記入します
②フレーム形状を記入します
③シート形状及び乗車人数を記入します
後部に座席がある場合は、タンデムステップや
ベルトなど保安基準を満たした装備が必要です
④ブローバイガス還元装置の形式を選択します
ブローバイホースからエアクリーナーボックスなどに戻る単純な形状はシールド式
PVCバルブなどが搭載されている場合はクローズド式
となる様です(要確認)
年式によっては「その他(大気開放)」も可です
⑤灯火類の色、バルブ性能などを記入します

①引き続き灯火類に関する事項を記入します
バルブ性能に関しては保安基準が定められていますので、満たしていないバルブが装着されている場合は交換が必要です
②視野確保装置に関する項目です
二輪の場合は画像の通りで問題ありません
③その他項目です
二輪の場合は画像の通りで問題ありません

様式4

排気量計算に関する様式です
添付資料によっては提出不要ですが、作成は簡単です
ダウンロードはこちら

諸元表の内容に従い
・内径(ボア)
・工程(ストローク)
・気筒数
を記入します
記入した数値を下の計算式に当てはめ
総排気量を算出します

右枠の総排気量は算出した数値を
単位をリットル
小数点第2位まで(3位切り捨て)
で記入します

まとめ

書類作成に関する解説は以上です
どうでしょう?
多くの項目は諸元表があれば記入が可能な物ばかりです
面倒ですが決して難しい訳ではありません
是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
面倒な資料手配代行のみの代行も承っております